チラー水風呂を作っているサウナ工場ってどんなところ?実は、北欧のサウナ工場ではなく中国のサウナ工場なんです

冷たい水風呂大好き!


サウナを作っている工場は、世界中にありますが、主に以下のような場所に多く集まっています。

世界のサウナ工場事情

1. フィンランド、スウェーデン
サウナの本場だけあって、サウナメーカーも多い。
ー「Harvia(ハルビア)」や「TYLOHELO(ティーロヒーロ)」などの有名メーカーがあります。
フィンランド国内にはサウナ専用の工場もあり、木材の加工からヒーターの製造まで行っています。

2. エストニア・ラトビアなどのバルト三国
ここもフィンランドに近く、木材資源が豊富なので、サウナ用の木材製品を作る工場が多いです。

3. ドイツ・スウェーデン
高品質な建材や電気系統の技術で定評がある国々で、プレミアムサウナの製造も多いです。

4. 日本
日本にもサウナ製造を手がけている会社があります。
たとえば:メトス(Metos):サウナストーブからサウナルームまで手がける。
     バローサウナや地方の木材加工会社が作る「バレルサウナ」なども人気。
その他、各エリアで地域に根差したメーカーは数多くあります。

5. 中国
最近、OEM(受託製造)としてサウナ機器や簡易サウナ(赤外線サウナなど)を大量生産している工場が増えています。

Hagoromo1を製造しているのは実は中国のサウナ工場!

一般ユーザーの方からすると、どこの国のどこの工場で作っているのかはあまり気にならないと思いますが、国はともかくどこの工場で作っているのかってすっごく大事です。工場の質が作っている製品の質にそのまま繋がってきます。
同じ(ような)ものをどこ(の工場)で作っても結局同じでしょ?と思うかもしれませんが、実は全然違います
今回は、いつもの「水風呂の冷たさ」にこだわった記事内容とは少し趣が違いますが、チラー水風呂・Hagoromo1が実際どういう工場で作られているのか?という観点からお伝えしたいと思います。是非是非楽しんでいってくださいね。

サウナ工場の様子

Hagoromo1の生産工場はどういうところ?圧倒的な生産実績を誇る世界No.1工場

圧倒的な生産実績を誇る中国工場。それがHagoromo1を生み出している工場です。中国の南京地方に位置し、中国で唯一サウナ工場として上場を果たし、東京ドーム9個分の広さを有しています。ヨーロッパ、北米、オーストラリア、中東に向けて年間30,000台を生産しているという、まさに化け物のように大きい工場。創業は1995年、今年で30年目になる歴史があります。

わかりやすいように、以降は工場Aとします。

ちなみに、工場Aの社長は、世界的なEVメーカーの副社長を務めており、戦略的子会社として新商品開発にも余念がありません。だからこそ、いろんなサウナ・水風呂を次々に生み出しているのです。

こういったサウナ工場ですから、バレルサウナ、ホームサウナなど何でも作っており、プライベートサウナに使うようなサウナはほぼ網羅しています。

余談ですが、工場担当者の女性の話によると、「中国にあるサウナ工場の源流はすべて当社であり、その他の中国工場のサウナはすべて模倣品である」とのことです。
まあその話が嘘か本当かわかりませんが、いずれにしても、量は質に変わっていくという言葉もあるように、大量生産することで、品質はどんどん向上していきますし、値段もかなりリーズナブルになります。

A工場の特徴①

A工場の特徴②

サウナ木材(レッドシダー、ヘムロック)はカナダ産FSC認証のものを使用

「どこの木を使ってサウナ・水風呂を作っているのか」はかなり重要なところで、もし自分が使うサウナの木材が乱獲されたものであったらと、かなり悲しい気持ちになると思います。しかし、どこのサウナメーカーもそうしたことの情報を与えることはしていません。しかし、工場Aはしっかりそうした情報を明示しています。

カナダ産木材について

樹齢100年を超えるカナダのサウナ用材を使用。特殊な地理的環境から強靭で変形しにくく、断熱性・保温性に優れています。レッドシダーは自然な香りとまろやかな香りが長持ちし、腐りにくいが希少価値が高く、ヘムロックは無色透明で硬く、滑りにくく摩耗に強いため、サウナルームに適した木材です。
なお、Hagoromo1に使われている木材はレッドシダーです。

FSC認証について

使用されているカナダ産モミ材はFSC認証を受けており、絶滅危惧種や違法に伐採された樹木の製品を購入することを避けることができます。
現在および将来の世代の社会的、経済的、生態学的ニーズを満たし、緑の平和を支える森林からの製品であることを消費者に保証することができます

その他、十分な木材の天日干しやドイツ製の機械を用いてカッティングなどの作業を展開

いくら良い木を使っているからと言って、その後のアフター工程が不十分であれば、良いサウナや水風呂は作れません。工場Aでは写真のような天日干しを2か月間ほど行い、木材の水分含有率を12%まで下げています。中には、生木に近いような木材を使う工場も多いらしく、そういったものを使用すると、実際の製品段階で木材が破裂するようなことも珍しくないそうです。


また、使用している機械は由緒あるドイツ製のものを使用しており、カットやポリッシングなどの細かい作業時に大変力を発揮しています。一級建築士のコメントでは「ドイツの機械をしっかり使っているというのはかなりポイントが高い。かなりこだわっている工場だと思う」とのことでした。


その他、生産後には、しっかりと組み立て検品を行うなど、届いてから木材が足りないとかそういった事態がないように対策も取られています。

工場の5Sが守られ、工場指導専門家からも90点を超えるレベル

5Sは、生産現場やオフィスなどの作業効率を向上させるための整理整頓方法です。日本で発展し、多くの業界で採用されています。5Sの各「S」は次のような日本語の言葉に由来しています:

  1. 整理(Seiri): 必要なものと不必要なものを区別し、不必要なものを取り除くことです。これにより、作業スペースがすっきりとし、必要な物だけが残ります。
  2. 整頓(Seiton): 物事を適切な場所に配置し、いつでも簡単に取り出せるように整えることです。これにより、物の探し時間が減少し、作業の効率が上がります。
  3. 清掃(Seiso): 作業場を常に清潔に保つことです。清掃を通じて、故障や異常が発見しやすくなるという副次的な効果もあります。
  4. 清潔(Seiketsu): 清掃した状態を維持し、標準を定めてそれに従うことで、いつでも誰が見ても清潔な状態を保つことができます。
  5. 躾(Shitsuke): 規律を守ることや習慣を身に付けることです。これにより、上記の4Sが自然と行われるようになります。

5Sは、単なる清掃活動ではなく、作業効率を高め、品質向上を図り、安全を確保するための哲学とも言えます。この方法は、見える化を重視し、無駄を減らすことで全体的な生産性を向上させることを目的としています。
中国工場ではこうした仕組みが確立されていないところが多いのが実情ですが、工場Aではかなり行き届いていると、視察に動向してくれた工場指導専門家の知人が言っておりました。

キビキビ働く工員たち

整然と並ぶ完成品サウナ

そうした環境下で生まれるHagoromo1

Hagoromo1水桶には、SUS 304という広く一般的に使われているステンレスを用いています。実は、ステンレスをを円形のこの形に日本で加工するとそれだけで200万円近いお金が発生してしまうそうです。

ちなみに、何故ステンレスを使用するかというと、

①水漏れがしない→ステンレスなどがないと木と木の継ぎ目からの水漏れが激しくあります。
②木の腐食を防ぐ。やはり、木が水とずっと触れているとそれだけ腐食の原因となります。
③ステンレスがタンブラーのように体感温度を下げてくれるので、実際の温度以上に水を冷たく感じさせてくれます。これは、タイルなどの水風呂では実現できない話です。

ステンレスの塩噴霧試験なども行っていて、塩害にも強いことを証明しています。

試験内容

まさに芸術品ともいえるHagoromo1ですが、まだまだ日本には入ってきている数は多くはありませんが、ヨーロッパ、北米、オーストラリアなどではかなりの数が出ているようで、先日担当者に聞いたところ、オーストラリアでは3,000台出たということでした。もちろん、諸外国ではHagoromo1という名前ではないですよ^^
これはあくまで日本市場での話です。

工場内でのHagoromo1(チラーは旧型)

ちなみに、当社では、世界的な工場の工場長との遠赤を設けていただくなど、工場Aとの密な関係を築いており、よりリーズナブルに、よりスムーズに、製品が届くように努めています。

工場長との宴席(奥側青いシャツの方が工場長、その右がkokolo sauna代表)

工員の方々との記念写真(右から4番目がkokolo sauna代表)

これまで簡単にチラー水風呂Hagoromo1を生産しているサウナ工場について説明させていただきました。ただ、肝心の水を冷やすチラー工場は別にあります。

次回は、チラー工場についても取り上げたいと思っています。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
CLOSE