kokolo sauna事業を展開するINSIGHT WORKS株式会社はプロダクト系の許認可認証の代行事業を行っています。
許認可認証という言葉は一般的になじみがないと思います。その中で、当社が扱っている許認可認証は電化製品です。例えば、電源コンセントを使うような電化製品、ドライヤーやテレビ、扇風機、エアコンなどは製品(サンプル)を第三者検査機関に入れて試験を行い、国が定めた技術基準をクリアしたもの以外は販売してはいけない、という法律があります。
それを電気用品安全法(通称:PSE)と呼びます。
日本国内の大手メーカーさんなどは自らPSE試験の手配をするのは難しくないでしょう。しかし、最近では、中国、韓国、台湾など、広く言えばアメリカやヨーロッパなどで生産された海外電化製品を輸入して販売しようとする商社系の事業者の方が数多くいらっしゃいます。そうした際、海外電化製品における日本の許認可の通し方がわからないという事業者に対して、当社では、その代行事業を行っています。
当社では、いまではサウナ事業も規模も大きくなってきていますが、未だにサウナ事業とともに認証事業も継続しております。ちなみに、顧客はAmazonや楽天で販売をするような個人の事業者から、中小中堅企業、スタートアップ企業、上場企業などがいらっしゃいます。
実は、サウナもPSE認証の対象となるわけなのですが、今回は許認可の代行会社であるINSIGHT WORKSが、kokolo saunaとしてサウナ販売事業を開始した経緯などをご紹介しつつ、あらためてPSEの重要性などをご説明していきたいと思います。
INSIGHT WORKSがサウナ事業を始めたきっかけ
率直なところ、当初はサウナ事業そのものにはあまり興味がありませんでした。サウナ―ということもなかったです。
きっかけは、2022年頃から起き始めた建て売りサウナブームに乗ってか、サウナのPSE認証に関するお問い合わせが多かったことです。
中国産サウナバスのPSE認証をして欲しい
スウェーデンなど北欧のサウナストーブのPSE認証をして欲しい
などなど。
しかし、電気サウナ関連のPSEは、特定電気用品(菱形PSE)に該当するため、その難易度は非常に高く、また認証費用も比較的試験内容が簡単な特定電気用品以外(丸形PSE)とは桁が1つ変わってきます。
その旨を説明すると、ほぼすべてのお客様が「やっぱり、やめておきます」というご回答。それが何件も続き、
だったら自社でPSE認証してみようか
と思ったのがこの事業の始まりです。


資金拠出が大変なものは一社ではなく複数社でやるのが鉄則
当社ではPSE認証のノウハウはありますが、それは決して検査機関に支払う認証費用を下げられるという意味ではありません。
認証に必要な費用は相応に発生します。そこに裏道などはありません。
特に、サウナの電気認証の費用はかなり割高です。ただ、その費用をどのように調達するかは知恵の絞りどころになります。
資金のやりくり方法について、代表的なものが複数社での資金拠出です。
みんなでやるというビジネスモデルは想像しづらいかもしれませんが、端的に言えば、販売代理店制度です。サウナを販売したい事業者の方は一定数いるので、そこに対して、
「PSE認証したサウナを販売できる」
という立て付けにすると希望者の方も少なくありません。
また、実際に売ってくる代理店(販売店)と、主にPSE認証や生産工場とやり取り、ホームページ作成その他マーケティングをする本部(当社)とで役割分担をする事で、事業の効率性が格段に向上します。
特に、サウナ体験ができる展示場を一社で用意するとなると、費用も場所も用意が大変ですが、複数の代理店を募ることで、複数の展示場をそれぞれ代理店のリソースで構築できることになるので、事業スピードが格段に向上していきます。
何でもかんでも自社でやるというビジネスモデルは、これから先の時代において、益々難しくなってくるだろうと感じています。
ほぼ10割のサウナ事業者がPSE認証をちゃんとやっていない
本ページにおいて、この部分がかなりの肝になってきます。
日本でサウナを販売している業者さんのほとんどが、
当社では、サウナストーブがPSE認証されているので、サウナとしてもPSE認証をクリアしています
と宣っています。
し・か・しですね。
実は、それではPSE認証をしていることにはなりません。
PSEの仕事をしているとよくわかるのですが。
例えば、
モーター(電源)がPSE認証されているので、本体(仮に、ここではドライヤーとします)のPSE認証は不要ですよね?
という類の質問を受けるのですが、答えは NO です。
モーター自体がPSE認証されていることに越したことはありませんが、そのモーターを使用した本体としてPSE認証する必要があるのは、PSE認証の世界では常識です。もっと言うと、世界中の認証の世界でも常識です。
サウナストーブもサウナバス全体で言えば、部品(電源)の一つです。なので、「ストーブがPSE認証されているのでサウナ全体もPSEされている」という理屈はおかしいなと思っていました。
経済産業省やJET(一般社団法人 電気安全環境研究所)に問い合わせてみたところ、やはり見立ての通り。
このように見た時に、現在販売している日本のサウナ事業者のほぼ10割が、正しいPSE認証をしていないという現状であると個人的に感じています。
サウナブームが日本中に到来し、バレルサウナや屋内サウナなどが多く販売されていますが、この事実を知ると大変恐ろしい事態だと直感しています。
何よりも、正しい検査をしていないサウナが出回るということは、ユーザーの安全が脅かされることに直結します。
PSE証明書を公開!しっかりと「電気サウナバス」で認証済み
電気サウナバスのPSE認証の証明書をアップします。
一部英語の証明書で驚くかもしれませんが、実は日本のPSE(特定電気用品)の認証実施は、経済産業省から指定された登録検査機関であれば、海外の検査機関で行っても(英語の証明書でも)問題ありません。
ちなみに、今回の試験は中国の検査機関を利用しました。
中国の検査機関だから日本のPSEじゃないですよね?
という方も時折いらっしゃいますが、その点は説明してあげるしかありません。
証明書だけ見ると簡単な感じですが、認証代行会社の当社が直々に行ってもかなりハードなPSE認証でした。手前味噌になりますが、それでも当社でなければこのPSE認証は実現できなかったであろうと感じています。
INSIGHT WORKSが展開するサウナブランド・kokolo saunaのご紹介
今回のお話しのメインはPSE認証のプロセスがメインとなりますが、簡単にですが当社が展開するサウナブランド・kokolo saunaについて説明させてください。
有象無象の中国サウナ工場が存在する中で、中国で唯一サウナ工場として上場を果たし、東京ドーム9個分の広さを有する生産工場。ヨーロッパ、北米、オーストラリア、中東に向けて年間30,000台を生産。1995年創業。29年の歴史を有しています。
また、同社社長は、世界的なEVメーカーの副社長が務めており、戦略的子会社として新商品開発にも余念がありません。
いろいろ補足情報が連なりますが、簡単に言うと、最高品質のサウナを大量生産している会社で、価格もリーズナブルにお届けすることが可能です。
そして何と言っても、この工場の製品をしっかりとPSE認証しているというのが当社の最強の強みです。ハッキリ言って、他社では絶対に入ってこれない領域です。

kokolo saunaホームページ
生産工場の様子

生産工場の方々と記念撮影(左から5番目が筆者)
kokolo sauna一番人気のレッドシダーバレルサウナ
kokolo saunaの今後の展開/PSE認証していることの大きなメリット
PSE認証がされていないということは、そもそもとして販売をしてはいけないという法律になっているのですが、残念ながら、購入側にPSEに対する知識がなければ、それが違法だと気付かずに購入に至ってしまうことがあり得ます。
特に、ネット販売ですと、PSE認証実施の有無をしっかりと確認することは難しい側面もあります。まさに、違法業者のなすがままの状態でもあり、かなり歯がゆいことでもあります。
ですので、一般ユーザーの方でも、PSEに対する知識をしっかりと身に付け、PSE未認証の違法品は絶対に買わない、購入後にわかった場合はしっかりと返品するなどの理論武装が必要になってきます。
一方で、BtoCの一歩手前である、BtoB向けに販売する場合には、そもそもPSE未認証で見過ごされるわけがありません。販売先のtoB(企業)は、自分たちの名前でエンドユーザーtoC販売をするわけなので、PSE認証有無についてはかなり厳格に確認を行います。
以前に、大手住宅メーカーの担当部長様とお話しさせていただいた際に、
ネットなどでサウナ業者が横行しているがどれもこれもPSE認証していないようで、怖くてとても手が出せない。御社のようにPSEの専門会社が販売しているというのは大変心強い。
というお言葉をいただきました。話題になっている商品を違法品でも良いので売り切るというビジネスモデルであれば、会社を大きくすることは出来ないでしょうし、何より社会に対しての冒涜を繰り返す会社は、結局、ビジネス界からも忌避されるようになるでしょう。
つまり、一時の利益の為に、今後のビジネス人生を棒に振ることになるのです。一方で、手前味噌ですが、ちゃんとPSE認証をして、真っ当にビジネスする会社に対しては、その後の大きな成長のチャンスが待ち構えているの事実です。
PSEをちゃんとやるのか、違法でやるのか、そもそもやめるのか、それは経営判断次第。しかし、費用も含めて、頭を使えばいろいろチャレンジできる道はあるわけなので、正しいビジネス知識、法知識などを携えて新たな事業に取り組んでいただきたいところです。

日本に展示しているkokolo saunaのバレルサウナ
ちなみに、kokolo saunaのチラー(水風呂)はPSE対象外
ここまでずっと電気を使う製品のほとんどはPSE対象であり、サウナも「電気サウナバス」としてPSE対象だとお伝えしてきました。
この流れで言うと、チラーも電気を使うのでPSE対象だと思われるでしょうが、実はkokolo saunaが使用しているチラーはPSEの対象外なんです!!
理由を簡単に言いますと、電気を使う製品であってもPSEの対象有無は製品の種類、用途、想定される使用シーン、電力容量などによって変わってきます。チラー自体は「電気冷水機」と分類されますが、kokolo saunaのチラーは出力容量が高いためにPSE対象外となります。一言で言うと、工場などでの利用を想定した業務用という扱いになります。
これについては、行政機関などにもしっかり確認しております。

ちゃんと安全性は担保されているの?
「PSE対象外なのはいいけどそれって安全に使えるの?」
という疑問は当然出てくると思います。
実際にはヨーロッパやオーストラリアの認証はしっかり行っているとのことですし、電源コードは日本のPSE認証されたものを使用しています。PSE対象外であっても安全面はキチンと確認をしています。中には、そうしたこともわからず、
うちの(水風呂用)チラーはPSE認証済みです!
と言っている業者さんもいらっしゃいますが、本当に何もわかっていないんだなと感じています。むしろそうした方々が扱うものは逆に怖くて堪りませんね。
ヨーロッパの認証証明書 オーストラリアの認証証明書
いずれにしても、サウナやチラーに欠かせない電気の安全性について熟知したkokolo saunaのチラー水風呂Hagoromo1でキンキンに冷えた水風呂をお楽しみください。

千葉県ゆうみビーチサウナに導入したHagoromo1

香川県琴弾廻廊に導入したHagoromo1

神奈川県シェアビレッジ葉山に展示設置されているHagoromo1
埼玉県入間市に展示設置されているHagoromo1
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