こんにちは。kokolo sauna認定ライターの山﨑です。
「いつもサウナに行ってるけど、なんとなく入り、ととのってもなくて、ちゃんと効果があるのかわからないなー」という気持ちになることありませんか?
だったらちゃんとした人に聞こうということで、神戸三宮で自律神経専門の整体院「SPINE SALON(スパインサロン)」を運営している理学療法士の後長悟(ごちょう・さとる)先生に、効果的なサウナの活用方法をうかがいました。
後長 悟(ごちょう・さとる)島根県出身 医療専門学校卒業後、2015年から理学療法士として香川県の総合病院・兵庫県の整形外科クリニックに勤務。2021年10月神戸三宮に「SPINE SALON」を開院。
最近では、映画「神様はバリにいる」のモデルになったバリの兄貴こと、 丸尾孝俊さんの施術をされるなど活動の幅を広げている。
サロンのInstagram:https://www.instagram.com/gggocho/
理学療法士とは
後長さん、本日はよろしくお願いいたします!
お話を伺う前に、理学療法士とはどういったお仕事なのでしょうか?
病気やケガなどで身体機能が低下した人や障害の発生が予測される人を対象にリハビリテーションを行う医療専門職です。かんたんに言うとリハビリの先生で、医師の診断のもと、理学療法を行う国家資格のある療法士ということですね。私のように独立開業している方もいらっしゃいます。
サウナの効果は自律神経の回復と血流改善の2つ
理学療法の観点からサウナの効果はあると思いますか?
理学療法の観点となると科学的根拠みたいな話になり難しくなってしまうので、わかりやすくお話すると、サウナの効果は2つあると思っていて、まずは自律神経の回復と血流改善です。
自律神経系への影響
自律神経系の中枢は脳の視床下部という場所にあります。サウナに入るとその視床下部に強い刺激を与えます。
視床下部はさまざまな生理機能を制御しています。サウナでこの部分が刺激されることで、多岐にわたる効果が期待できます。
サウナに入ると、身体は危機を感じて交感神経(ストレス時に活性化する神経)が刺激されます。これにより、発汗や熱放散が進みます。
水風呂ではさらに交感神経が刺激され、皮膚の血管が収縮して体温を逃がさないようにします。
外気浴ではリラックス状態の副交感神経に切り替わり、幸せ感やストレス軽減、集中力向上などの効果が得られます。
具体的には、睡眠の質の向上や体温調整機能の改善、メンタルヘルスの向上(うつ症状の軽減など)、食欲調整、感情コントロールの改善などが挙げられます。
これらはすべて視床下部の機能と密接に関連しているため、サウナによる刺激がさまざまな面で良い影響を与える可能性があります。
血流改善の効果
サウナのもう一つ大きな効果が「血流改善」です。
サウナで拡張した血管が水風呂で収縮することで血流が良くなり、脳や内臓、細胞により多くの栄養が届けられます。これにより、老廃物の排出や免疫力の向上が期待できます。
血液の流れが良くなることで、酸素や栄養素が身体のすみずみまで行き渡ります。これは全身の回復と健康維持に非常に重要です。
サウナの意外な効果:むくみ改善
多くの人は、サウナとむくみ改善に因果関係があるとは思わないでしょう。ところが後長さんに聞くと、これにも科学的な根拠があるそうです。
視床下部は体液の浸透圧調整も行っています。サウナによって視床下部の機能が改善されると、体液バランスの調整もうまくいくようになります。これがむくみの改善につながるのです。
サウナ利用の注意点
以上のようにサウナの健康効果は多岐にわたりますが、同時に注意すべき点もあります。
心疾患のある方は医師に相談してから利用することが大切です。また十分な水分補給を心がけることも重要です。
サウナはメンタルヘルスの向上にも寄与しますが、重度の精神疾患では利用を慎重に検討する必要があります。
サウナは交感神経を強く刺激します。これが多くの健康効果をもたらす一方で、一部の方にとってはリスクにもなり得ます。特に精神疾患がある方は、主治医と相談の上、利用を検討して欲しいですね。
脱水症状に注意し、水風呂後にめまいや吐き気などの症状が出た場合、すぐにサウナを中断することが重要です。
リハビリテーションとサウナ
リハビリテーションの観点から見たサウナの効果についても、後長さんにお話を伺いました。
筋肉の回復と柔軟性
サウナによる血流改善は、筋肉の回復と柔軟性の向上に大きく寄与します。
サウナ利用により、筋肉への酸素と栄養素の供給が増加し、筋肉間の組織液の質が改善されます。さらに、深い睡眠が促進されることで、全体的な回復力が向上するのです。
筋肉痛の緩和
サウナは、運動後の筋肉痛緩和にも効果があるといいます。
筋肉痛の改善には良好な血流が欠かせません。サウナによって血流が改善されれば、筋肉の修復過程も促進されるでしょう。
リハビリ効果の最大化
サウナを利用してリハビリテーションの効果を最大化する方法について後長さんに尋ねたところ「それについては個人差がある」とのこと。
サウナ→水風呂→外気浴の一般的な入り方で十分効果は得られます。ただし、個人によって最適な方法は異なります。自分の体調をよく観察しながら、適切な頻度と時間を見つけていくことが大切です。
基本的には我慢できなくなったら出るというのが一番いいそうです。
外気浴と水分補給が大事
重要なのはサウナ後の「外気浴」と「水分補給」の実施です。サウナで温まった体を急激に冷やす水風呂の後に、数分間の外気浴をすることで、副交感神経が活性化し、心身がリラックスします。
この外気浴のタイミングが、サウナの効果を最大限に引き出す鍵となります。特に、外気浴を行わないと、交感神経が過剰に働き続け、リラックス効果が十分に得られません。
身体の水分を拭き取って、外気浴をはじめる最初の2〜3分に脳内物質濃度が高くなります。この間は確実に身体を休めましょう。心拍数が落ち着いてくるタイミングで切り上げるのが最適です。
またサウナではかなりの汗が放出され体内の水分が失われます。
それを補うための水分補給は必須。薄めたスポーツドリンクか少量の塩分を加えた水が理想とのことでした。
この話を聞いた後、私もさっそく実践。サウナ・水風呂をしんどくなる前に出て、水分をしっかり拭き取って外気浴を2〜3分して水分補給をしたところ、とても心地良く疲れが抜けていくのを感じることができました。
サウナの社会的・精神的効果:最新の研究結果
サウナの効果は身体的なものだけではありません。社会的、精神的な面でも興味深い効果があることが最新の研究で明らかになっています。
精神疾患リスクの低下
東フィンランド大学のTanjaniina Laukkanenらによる研究では、週4回以上サウナに入る人は、週1回のみの人に比べて24.9年間内の精神疾患発生率が約77%低下することが報告されています。
また2017年に発表された論文に依ると、週に1回サウナに入る人に比べ、週に4〜7回サウナに入る人が認知症になる確率が64%、アルツハイマー病になる可能性が65%低下することが明らかになりました。
2018年に発表された研究では、1628名を対象に15年間記録を取り続けた結果、週に1回のみサウナに入る人に比べ、週に4回以上サウナに入る人が脳卒中にかかる可能性が62%低減することが確認されています。
同じく2018年にフィンランドの研究チームが発表した調査研究では、週に4回以上サウナに入る人は、週に1回のみサウナに入る人より心臓病による死亡率を73%も下げることが明らかになりました。
これらの研究結果は、サウナが単なるリラックス効果だけでなく、長期的な健康維持にも大きな影響を与える可能性を示唆しています。
フィンランドの研究結果は非常に興味深いものです。定期的なサウナ利用が社会的つながりを強め、精神的な健康にも良い影響を与えるという結果は、サウナの持つ多面的な効果を示しています。サウナという特殊な空間で他者とリラックスして過ごすことで、ストレス解消やコミュニケーション能力の向上につながるのかもしれません
さいごに
後長さんから、サウナライフを始める方へのアドバイスを伺いました。
サウナには多くの健康効果がありますが、無理に追い求め過ぎないことが大切です。まずは『気持ちいい』と感じるところからスタートし、徐々に自分に合ったペースを見つけると良いでしょう。そして、サウナ後の外気浴も忘れないようにしましょう。サウナは自律神経のバランスを整えるのに非常に効果的です
とのことでした。
確かに、サウナは単に温まるだけの場所ではなく、心身の健康に大きな恩恵をもたします。それには後長さんがおっしゃった、自分に合った「気持ちいい」と感じる温度を見つけることが、サウナの効果を最大限に引き出す鍵になるのではないでしょうか。
kokolo saunaブランドのサウナや、Hagoromo1のチラー付き水風呂を導入することで、好みに応じた温度設定が可能になり、理想的な「気持ちよさ」をより簡単に見つけて頂けるとおもいます。これらの設備があれば、自宅でも最高のサウナ体験を楽しんで頂けると思います。
フィンランドには「大事なことはサウナで決める」ということわざもあります。多幸感やストレス軽減、集中力の向上など、サウナがもたらす効果は、多くの経営者にも支持されています。
自分好みの温度設定ができるサウナや水風呂は、単なるアクティビティだけでなく、健康と生産性を支える重要な投資です。kokolo saunaのサウナやHagoromo1の水風呂を取り入れて頂ければ、ビジネスのパフォーマンス向上にも一役買うのではないでしょうか。
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